# 1.1. 私たちの問題認識

### 私たちがまだ気付いていない、3つの潜在的な課題

スマートフォンの爆発的な普及に伴い、私たちは普段から様々なサービスを利用しています。

"朝起きて友人の投稿をSNSでチェックして、動画視聴サービスで好きなクリエイターの動画を見て、グルメ口コミサイトでその日の夜ご飯のお店リサーチして、電子書籍サービスで好きな本や漫画を読む・・・"

私たちは、数えきれないほどのサービスの中から、自分のニーズにあったサービスを取捨選択して、利用しています。

最近のサービスは非常に賢くなっていて、私たちのアプリ内での行動データや購買データなど、あらゆるデータを収集・解析・学習し、より良いサービスを提供してくれています。

ただ、そこには、まだ少数の人しか認識していない、潜在的な課題が3つあると私たちは考えます。

### (1)プラットフォーム毎に私たちのデータは分断されている

私たちは普段あまり意識していませんが、私たちの行動データや購買データは、プラットフォームごとのアカウント（＝ID）に紐づけられて管理されています。そして、当然、私たちが利用するアカウントはプラットフォームごとに異なります。

そのため、私たちのあらゆるデータは、プラットフォームごとに分断される形で保持されています。以下に、各データと、それらを保持するプラットフォーマーを示します。

* ECでの購買データ→大手ECプラットフォーム
* 位置情報データ→大手キャリア
* インターネットでの検索データ→検索エンジン
* 飲食データ→レビューサイトやSNS
* 宿泊データ→国内外大手OTA
* 交友データ→SNS

このように、**各プラットフォーマーが提供するサービスに紐づくデータは、各プラットフォーマー内でのみ利用されており、プラットフォーム外でデータを活用することは基本的にできません**。

例えば、普段Instagramを多用している人であれば、Instagram内に、「友人にはどんな人が多いのか」、「どんな風景やレストラン、ホテルが好みなのか」、「どんな芸能人が好きなのか」といった、大量のデータが蓄積しているでしょう。

しかし、その人がいざ「来月友人と旅行に行くから、宿を探そう」と旅行サイトを訪れても、Instagramにこれまで蓄積された膨大なデータは活用できず、好みのホテルを1から探す必要があるのです。

### (2)自分のデータを所有できず、その恩恵を十分に得られていない

現在、あなた自身のデータは、いったい誰が保有しているでしょうか？

自分自身と言いたいところですが、**答えは「プラットフォーマー」**&#x3067;す。私たちは、**思った以上に自分自身のデータを自分で所有することができていません**。

プラットフォーマーは、ユーザーの膨大なデータを活用し、広告や表示商品の最適化などを行うことで莫大な利益を得ている一方で、各ユーザーが得られる恩恵は「おすすめのアカウントの表示」や「おすすめの商品広告の表示」などに留まっています。（おすすめ表示は便利で嬉しいものですが、プラットフォーマーが得ている恩恵と比べると、その恩恵はとても小さなものです。）

現在はプラットフォーマーに帰属しているあなたの個人データを、目的に応じて有効に活用すれば、もっと多くの恩恵を得られると考えています。

### (3)「リアル世界の経験データ」が蓄積できていない

近年の急速なデジタル化により、日常のあらゆる行動がデータ化され、蓄積されています。

身の回りの様々なものがインターネットに接続され、もはや、データ化されていないものはないと錯覚してしまいそうになります。

ただ、それでもなお、データが蓄積されていない領域があります。それは、「**リアル世界の経験データ**」です。

#### ■ オンライン上では、経験データを簡単に蓄積可能

オンライン上でのあなたの経験データは、どのように蓄積されているでしょうか。

例えば、YouTubeでは、「あなたが誰の動画を見たか」という経験データが、「視聴履歴」という形で蓄積されています。また、Amazonでは「あなたが何を購入したか」という経験データが、「購入履歴」という形で蓄積されています。

そして、それらの履歴データは、あなたに最適な動画や商品をレコメンドするために活用され、その結果として、YouTube上で見たいと思える動画に出会いやすくなり、Amazon上で欲しい商品に出会いやすくなるという恩恵を享受しています。

#### ■ リアル世界では、経験データの蓄積が困難

一方で、リアル世界における経験データは、どうでしょうか。

リアル世界での経験とは、例えば「あるアーティストのライブに行った経験」や「あるクリエイターの主催するイベントに参加した経験」、「あるサウナに入った経験」といったものを指しますが、こういった経験のデータ（履歴）を、現状はほとんど蓄積することができていません。

**オンライン上では蓄積できることが当たり前となっている経験データは、リアル世界では蓄積することができていないのです。**


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